2007-06-08 金曜日 彼は考えていた。いや、彼は感傷に浸っていた。 簡単そうという至極単純な理由でもぐりこんだ授業で、彼は心に何かを刺されていた。 昭和の文学。 それは彼が今まであまり触れてこなかったものだった。「坊ちゃん」とかまぁその辺は読んだことがあってもそれきりだった。 それがここに来て奇襲を受けたのだ。驚いた。そう、彼はただ驚いていたのかも知れない。