猿の無念
猿猴(えんこう)月を取るということわざがありますね。
猿猴捉月とも言い、俺の大好きなブリーチでもでてきていることわざです。
これは中国の故事の水面に写った月をとろうとした猿が溺れ死んでしまう話から来ています。
そこからこのことわざの意味は
「できないことをしようとして、失敗すること。身の程知らずの望みを持ったばかりに、却って失敗すること。」
なのですが、俺はいつも思うのです。
あんまりじゃないかと。
この話は詳しく読むとこういうことなのです。
その昔,インドのバラナシに500匹ものアカゲザルがいた。
さて猿たちが林の中で遊んでいた時のこと,井戸をのぞいてみてびっくり仰天。お月様が沈んでる。そこで猿の大将はすわ一大事と仲間に呼び掛けた。
「お月様が死んで井戸に落っこちたぞ。これじゃこの世は真っ暗闇になっちまう。
おいらたちでお月様を助けようじゃないか。おいらは木の枝につかまるから,おまえはおいらのしっぽにつかまれ。そうやってみんなでどんどん数珠つなぎになりゃ,お月様を引き揚げられるだろう。」
けれども木の枝は重みに耐えかねてぽきんと折れてしまい,井戸に映った月を救おうとした猿たちは,哀れ,1匹残らず井戸の中へ落ちていったとさ。
確かに身の程を知らないで月なんか取ろうとしたから落ちたと言えばまぁそうです。
しかし、猿達は月を取ろうとした時、自分の欲から取ろうとしたわけではなく、
月を、いや世界を救おうとしていたわけです。
その時の猿達は「世界のみんな、待っててくれ、おいらたちが世界を救う。」という正義感にあふれた気持ちでいっぱいだったに違いないのです。
みんなで力を合わせて救おうとする。しかし志半ばで夢潰える。
美しくも哀しい話なのです。
なのに、なのに
できないことをしようとして、失敗すること。身の程知らずの望みを持ったばかりに、却って失敗すること。だなんてあんまりじゃないですか!!
キミは火事の現場に飛び込んで、残された人を助けようとして逆に死んでしまった人に「あ〜あできもしない望みもつから」と軽く突き放せるのですか。
と、なぜか今日朝起きると無性にこれが悔しくてしょうがありませんでした。
だから、待ってろよサルおまえらの無念は俺が晴らすからな、という意味のわからないこと思いながらバイトしました。
そしたら……
なんか異常に
疲れました。とさ