そこは一面の畑だった。

今日の日記はこれまた俺がわが社の、ある部門トップをねらい、奮闘していることについての日記である。
今回俺がねらい勉強しているのは「地理学」である。これを極めれば、旅行先で率先してその場所のナビゲートをすることができ、社長にうけること間違えなしなのだ!!
まあそんな安易な理由で地理学を学んでいるわけだが、今日先生が突然課題を出した。
その課題はこうだ。「つぎの写真A、Bについて、景観を読み取り、人々の暮らしについて考察せよ。」さらに先生はこう付け加えた「これがどこなのかも考察してみてください。」正直めんどーと思ったが、わが社の出世のためだ、サボるわけにはいかない。
写真を見てみるとA、Bともにど田舎の航空写真だった。Aは畑が多く(というかそれしかない印象)、Bは水田が多い。素人の俺にはそれぐらいしかわからなかった。場所も適当にAが東北、Bが新潟と予想した。
そして先生から正解が発表される。Bは水田だからと新潟という安易な予想は大きく外れ、石狩平野だった。ふーんとしか思わなかったが、次に発表されたAに俺はひどく驚いた。
先生いわく「ここは難しかっただろう」とのこと、いったいどこなんだよ?と思いつつ正解を聞く。
「正解は埼玉県・・・」なんだ埼玉かよ、と俺は思った。が
「埼玉県・・・三○町!!」
それを聞き、クラスから「しらねぇーよ!!」とツッコミの声が上がる。が、俺は違った。
「(知ってるし!!)」三○町はわが市の隣にあるで、まあ一目みて田舎だと思う土地であったが、俺の友達も何人かそこに住んでいた。
そして、先生の説明は続く、「三○町は最近できた団地と、古くからの農家が分かれており、また工場などもあり・・・」とまあ先生いわく三○町は地理学で取り上げやすいすばらしい町なのだそうだ。
三○町にお住まいの諸君。君たちの町はすばらしいんだ。これからはぜひ誇りに思って暮らしてね。
とまあ先生の言葉を借りればこういうことだが、俺が今日の授業で思ったことはひとつ

やっぱあそこ田舎だなあ

それだけである。